ISBN:4062748681 文庫 村上 春樹 講談社 2004/09/15 ¥540
ノルウェーの森は、恋愛小説に分類される。
果たしてそうだろうか?
直子はワタナベくんを愛していたのだろうか(小説の最後にある、直子の自殺を知った後のワタナベくんの独白などから推測できると思います)?
直子はキズキという幼なじみをずっと好きであったけれども、彼は自殺してしまう。
自殺の理由も分からないまま、直子は生き続けている。
数年後、偶然、ワタナベ君と再会。
二人は、出会うたびに、延々と東京の町を歩き続ける。
直子の誕生日の夜、彼らは関係を持って、その数日後、直子がもう東京にいないことをワタナベ君は知る。
そんな時、一通の手紙がワタナベくんの元に届く。
直子がワタナベくんを愛していなかったように、ワタナベ君も直子を愛していたかどうかさえ、今となっては怪しく思える。
初めてこの本を読んだときは、一人のことを思い続ける恋愛と思った。だが、あれから時間が経ち、あらためてあのストーリーを思い出してみると、あれは、愛とか恋愛というものではなくて、あの二人の関係は、決して手の届かない場所にいる死者キズキを、直子とワタナベくんがお互いを通して探している関係(だから、彼らは延々と東京の町を二人で彷徨い歩く)と思える。
キズキくんに関しての記述は、最初の方に少し出てくるだけで、あまり詳しく描かれていない。
あれは、恋愛をテーマにしているのではなくて、実は、死をテーマにしているのでは? と思っている。
死者と生者のつながりというか、生者の中に生きている死者と言うか。
実際、小説の最後に、どこか分からない場所から、主人公が、生命力にあふれた緑に電話することで、生きているものとの関係をつなぎ止める。
この小説は、著者のデビュー作「風の歌を聴け」にある「死は生の対極ではない」という言葉の長い長い、パラフレーズではなかろうか?
ノルウェーの森は、恋愛小説に分類される。
果たしてそうだろうか?
直子はワタナベくんを愛していたのだろうか(小説の最後にある、直子の自殺を知った後のワタナベくんの独白などから推測できると思います)?
直子はキズキという幼なじみをずっと好きであったけれども、彼は自殺してしまう。
自殺の理由も分からないまま、直子は生き続けている。
数年後、偶然、ワタナベ君と再会。
二人は、出会うたびに、延々と東京の町を歩き続ける。
直子の誕生日の夜、彼らは関係を持って、その数日後、直子がもう東京にいないことをワタナベ君は知る。
そんな時、一通の手紙がワタナベくんの元に届く。
直子がワタナベくんを愛していなかったように、ワタナベ君も直子を愛していたかどうかさえ、今となっては怪しく思える。
初めてこの本を読んだときは、一人のことを思い続ける恋愛と思った。だが、あれから時間が経ち、あらためてあのストーリーを思い出してみると、あれは、愛とか恋愛というものではなくて、あの二人の関係は、決して手の届かない場所にいる死者キズキを、直子とワタナベくんがお互いを通して探している関係(だから、彼らは延々と東京の町を二人で彷徨い歩く)と思える。
キズキくんに関しての記述は、最初の方に少し出てくるだけで、あまり詳しく描かれていない。
あれは、恋愛をテーマにしているのではなくて、実は、死をテーマにしているのでは? と思っている。
死者と生者のつながりというか、生者の中に生きている死者と言うか。
実際、小説の最後に、どこか分からない場所から、主人公が、生命力にあふれた緑に電話することで、生きているものとの関係をつなぎ止める。
この小説は、著者のデビュー作「風の歌を聴け」にある「死は生の対極ではない」という言葉の長い長い、パラフレーズではなかろうか?
コメント